
「失敗するとすぐに泣いてしまう」「うまくいかないと投げ出してしまう」。お子さんのそんな様子に、心配になったことはありませんか。失敗は誰にとっても気持ちのいいものではありません。けれど、ものづくりの世界では、失敗はむしろ学びの入口になります。
この記事では、ロボットや電子工作などのものづくりを通して育つ「試行錯誤する力」について、神戸ロボットクラブの考え方をもとにご紹介します。
ものづくりは「うまくいかない」が当たり前
ロボットを組み立てて、プログラムを書いて、動かしてみる。ところが、まっすぐ進むはずのロボットが曲がってしまう、センサーが反応しない……。ものづくりでは、一度で思いどおりに動くことのほうが珍しいくらいです。
だからこそ、ものづくりの場では「失敗=ダメなこと」ではありません。うまくいかなかった理由を探すこと自体が、学びの中心になります。
試行錯誤のサイクル「考える→試す→確かめる→もう一度挑戦する」
神戸ロボットクラブでは、次のような試行錯誤の流れを大切にしています。
- 考える:どうすれば動くか、予想を立てる
- 試す:実際に組み立てたり、プログラムを動かしたりする
- 確かめる:予想どおりだったか、どこが違ったかを見る
- もう一度挑戦する:気づいたことをもとに、やり方を変えてみる
このサイクルを何度も回すうちに、子どもたちは失敗を「終わり」ではなく「次へのヒント」としてとらえられるようになっていきます。
失敗から育つ力
試行錯誤の中では、私たちが大切にしている「5つの力」のうち、特に次の力が育っていきます。
問題を解決する力
「どこで止まったのか」「何が原因か」を一つずつ確かめていく経験は、問題を整理して解決に向かう力につながります。
挑戦する力
一度うまくいかなくても、もう一度やってみる。小さな「できた」を積み重ねることで、新しいことに向かう気持ちが育ちます。
仲間と協力する力
行き詰まったとき、友だちに「どうやった?」と聞いたり、一緒に原因を探したりする。誰かと試行錯誤する経験は、協力することの楽しさを教えてくれます。
大人ができるサポート
子どもが失敗して落ち込んでいるとき、大人はつい励ましたり、答えを教えたりしたくなります。もちろんそれが必要な場面もありますが、ときには次のような声かけも試してみてください。
- 「どこまではうまくいった?」
- 「次はどこを変えてみる?」
- 「さっきより進んだね」
失敗を責めず、過程に目を向けてもらえることで、子どもは安心してもう一度挑戦できます。大人自身が「やってみたけど失敗しちゃった」と笑って話す姿を見せることも、大きな後押しになります。
家庭でもできる「失敗を学びに変える」工夫
ものづくりの場だけでなく、家庭でも試行錯誤は体験できます。たとえば、紙飛行機の折り方を変えて飛ぶ距離を比べる、積み木で倒れにくい塔をつくるなど、身近な遊びでも「考える→試す→確かめる→もう一度挑戦する」は回せます。うまくいかなかったときに「じゃあ次はどうする?」と一緒に考える時間が、失敗を前向きにとらえる練習になります。結果を比べて「さっきより遠くまで飛んだね」と変化に気づけると、子どもは試行錯誤そのものを楽しめるようになっていきます。
まとめ:失敗できる場所が、挑戦できる子を育てる
失敗は、ものづくりの中でいちばん多くのことを教えてくれる先生のような存在です。安心して失敗できる場所があるからこそ、子どもたちは何度でも挑戦できます。
神戸ロボットクラブは、子どもも大人も一緒に試行錯誤を楽しむ「共育」の場を目指しています。団体の活動紹介ページやSNSで日々の活動をお伝えしていますので、ぜひご覧ください。

